▲カカベロスのサンタ・マリア教会の鐘楼。
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雨のち晴れの一日
【31日目12年10月9日(火)雨、夕方から晴れMolinaseca➔Cacabelos23.5km/累計586.9km】

 出発しようとオスタルのドアを開けたとたん、雨と風が吹きつける。いつ降りだしたのか、まったく気づかなかった。リュックから雨具を取りだして着こむ。改めて出発。寝坊したので時計は8時を少し回っている。

▼雨で濡れた路面に街灯の光だけが落ち、人影はまったくない。道は確認してあるので歩くのみだ。

 レインズボンも新しく買ったし、雨対策は万全だから意気込んで出発した。ところが、雨は5分もたたないうちに小降りになってきて、10分ほどでほとんどやんでしまった。
 通りすがりのバス停のベンチにリュックをおろし、雨具を全部脱いでしまう。なんのこっちゃ。着てたのは20分ぐらいか。

 せっかく雨を楽しもうと思っていたのに、まあ、しようがない。のんびり歩こう。体調は完全に回復。アラーム設定を忘れ、6時半過ぎまで寝ていたからな。

▼9時1分、州道を離れ、脇道に入る。これだけ大きな矢印だと迷う人はいないだろう。曇り空が気がかり。

 9時47分、ポンフェラーダ着。人口6万3000人の町だから、ここに泊まる巡礼者も多いようだ。わたしは朝食を食べるべく、適当なバルを物色しながら町中を歩く。

▼ポンフェラーダの町に入ったところに立つ案内標識。

▼巡礼路を歩いてきて最初に目につくのがこの建物。12世紀建立のテンプル騎士団の城だ。

▼市庁舎の建つマヨール広場。高校生らしき集団がキャーキャー騒いでいた。修学旅行なのかな。

▼マヨール広場のバルで朝食。いつもならボガディージョなのに、ついついケーキに手がのびた。

 おっと、のんびりしていたらもう11時近い。出発しよう。
 観光案内所で教えてもらった郵便局に寄り、絵葉書用の切手を買う。郵便局のすぐそばがシル川。川にかかる橋を渡ると旧市街は終わり、新市街の町並が続く。

 商店街があり、「亜州百貨」などという看板も見えるが、これは100円ショップ的な店。こうした店は中国系の人がやっており、大きな町ではよく見かける。小物を買うには安くて便利。

 ただし、この手の店で買うのは、使い捨てにできるものに限る。わたしが失敗したのはボールペン。使いはじめたらすぐにインクがボタボタ出てきて、ティッシュでふきとりつつ絵葉書を書く羽目になった。代わりを買うにも文具店などないから、しばらくは使い続けるしかない。安かろう・悪かろうでもOK、というもの以外は買わないことだ。

 12時10分、巡礼路は修道院らしき建物の敷地内に入っていく。矢印どおりに歩いていくと、細長い建物の通廊をくぐり抜けて広い庭に出る。
 まったく人の気配が感じられず、いいのかな、ここを通って。

▼敷石を踏んでいくと、細長い建物をくぐり抜けるように道が続いている。前を歩いている巡礼者もいるし、これが正式な巡礼路なのだろう。それにしても、こんな道は初めてだ。

▼敷地内にあるマリア像。足下にはホタテ貝が置かれていた。

 ポンフェダーラの町では日差しもあり、あがると思いきや、修道院を出たらまた雨がぱらつきだした。空はだいぶ暗くなっている。本降りにならないように祈って、もう少し様子を見よう。

 コルンプリアノス➔フエンテス・ヌエバス➔カンポナラジャと小さな村を通り、今日の目的地カカベロスをめざす。

▼雨に濡れたテニスコートを発見。スペインはナダル選手の出身国だが、テニスは盛んなのだろうか。

▼体を伸ばしてストレッチする笑いネコを発見。

 天気は小康状態。雲の切れ間から太陽が顔を出すこともあり、雨具の出番はなさそうだ。
 カンポナラジャのバス停で、昨日、鉄の十字架で写真を撮ってもらった人が、バスに乗るのを見かけた。
 人は人、わたしはわたしで、歩くのみ。

▼カンポナラジャを過ぎると、おなじみのブドウ畑が続く道になる。

▼カカベロスの手前で見かけた「Santiago 194.5km」の標識。残り200Kmを切ったぞ!

 カカベロスに着いたのは3時2分。いつもより遅い。ま、寝過ごしたからしかたがないな。
▼カカベロスのサンタ・マリア教会。
 このカカベロスでは、予定を早めて4回目の休養日をとることにした。
 そろそろ旅の終盤になり、スケジュールに余裕があることもはっきりしてきたし、このあたりで休んでも問題ないと判断したのだ。

 見つけたオスタルは、2泊で59.99ユーロ。可もなく不可もなしの平凡な宿で、サンタ・マリア教会のすぐそばにある。名前は、オスタル・サンタ・マリアで、実にわかりやすい。

 ひと段落して町に出たのは5時半だった。天気はすっかりよくなり、ポカポカ陽気だ。
 町の中心部から川沿いの遊歩道を歩き、オスタル近くのレストランで夕食。
 明日は休みなので、酒飲みなら一杯ひっかけて、という手もあるのだろうが、断酒の身ではそうもいかない。

▼これはぶどう摘みの像のようだ。

▼川沿いの遊歩道。朝とは打って変わったいい天気で、気持ちも晴れ晴れする。

 酒が飲めないこと、英語ができないこと。今回の旅の大きな欠陥で、両方ともに友だちができない結果につながっている。
 ま、しかたがないやな。最初からわかってて、それでも旅に出てきたのだから。


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      ◆聖地巡礼:カミーノ・デ・サンティアゴ