行って戻って1時間のロス
【21日目◆12年9月29日(土)◆曇り・霧雨のち晴れ◆Fromista➔Carrion de los Condes◆19.3km/累計372.3km】
7時7分出発。アルベルゲの朝食を頼んでいたので、出発がやや遅くなった。
あいかわらず風が強い。寒さはそれほどでもない。星はまったく見えない。ということは今日も曇りのようだ。
出発そうそう、さんざんな目にあった。道は間違えるし、ポンチョを着るタイミングは遅いし。
道のほうは昨日の夕方に確認した。だからなんの疑問も持たずに歩きはじめた。だが、30分ほど歩いて、何かおかしい、道が違うのでは? と思いはじめる。
標識もなければ歩いている仲間もいない。考えた末に戻ることを決断。それが正解だった。アルベルゲの近くまで戻ると、リュックを背負った仲間が別の方向に歩いていく。
なぜ? いまもってわけがわからない。道は確認したのに……。ともあれ、何かの理由でこっちのほう、と思い込んだのだ。おかげで1時間のロスだ。
▼出発地まで戻り、そこから15分ほど歩いたところに大きな道路標識があった。目的地のカリオンはまっすぐ。本当なら1時間前にここを通過していたのに。そう思うと霧雨がよけい冷たい。
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ポンチョもそう。天気予報で降水確率20パーセントだったので、降りはじめた霧雨はすぐにやむだろうと思った。ところが少しずつ強くなり、リュックもしっとり濡れてくる。我慢もここまで、とポンチョを着たら、雨はやんでしまった。ついてないよ。
雨はやんだが右手から吹く風が強い。右、すなわち北だ。冷たいのも道理。その風の中をひたすら歩く。道は、左に2車線の舗装道路、右側が砂利の巡礼路。どこまで行っても同じだ。
▼舗装された県道沿いに延びる巡礼路。ホタテ貝の道標=モホンがかなり見うけられる道だ。
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▼1時間歩いても同じような道が続く。雨はやんでいるが、いつまた降りだすかわからない状態だ。
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11時14分、ビジャルカサール・デ・シルガに着いた。おりよく大きな教会があったので小休止。心洗われる教会だった。
▼サンタ・マリア・ラ・ブランカ教会。疲れた体を休めるには最適の場所だ。
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▼手をつないで歩く二人。こういう巡礼もいいなあ。遠くに見えるのはカリオンの町だ。
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今日の目的地、カリオン・デ・ロス・コンデスに着いたのは12時48分。天気もよくなり、雨の心配はまったくなくなった。
▼カリオン・デ・ロス・コンデスの入り口で見かけた教会らしき建物。壁の絵が目を引く。
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▼町の通りを歩いているとALSAのバスから降りる巡礼者の一団に出会った。ALSAはスペインの各都市を網羅するバス会社だから、マドリードあたりからやってきた巡礼者たちかもしれない。
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町をゆっくり歩きながら泊まるところをさがす。そろそろ町のはずれかと思うところにオスタルがあった。ここにするか。中に入るとWi-FiがOK。よし、決めた。Hostal ALBE、27ユーロ。
▼部屋はツイン。ひとりではもったいないが、シングルはほとんどない。ま、広いほうが気持ちいいが。
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昼食は部屋で簡単にすませ、3時過ぎから町の散策。歩いているとジョディにばったり出くわした。
オラ! オラ!
両手を広げる彼女に、思わずハイタッチしようとしたら、彼女はハグのつもりで腕を差しのべてくる。変ないきちがいにハイタッチならず。笑ってごまかす。こんな場面にはハグ。覚えておこう。
▼このあたりが町の中心のようだ。道路の真ん中に巡礼者像が建っていた。
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▼コウノトリの巣を頭にかぶったような鐘壁。空は秋の気配をただよわせている。
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▼こういう景色を見るとホッとする。なにしろ毎日歩くのは、枯れはてた大地が広がるだけの世界だから。
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明日の道順もしっかり確認した。これでOKだ。
オスタルに帰りついたところで、左のわき腹が痛みだす。このところ、午後になると痛みを感じる。原因不明なだけに気がかりだ。
7時50分、レストランで夕食。初めて巡礼者用の定食を食べた。前菜、主菜、デザートのそれぞれに5、6種類の料理があり、一品ずつ選ぶ。おなかいっぱいにはならないが、まあまあというところか。11ユーロ。
▼夕食は、前菜=エンサラダミクスタ、主菜=目玉焼きとハム&ポテトフライ、デザート=プリンにした。
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部屋に帰ってきたら暖房が入っていた。そんな季節なんだ。
9時44分、就寝。
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