▲ビジャフランカ・デル・ビエルソ村にあるサンティアゴ教会の赦しの門。
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赦しの門で贖罪を乞う
【33日目12年10月11日(木)小雨・曇り、時々晴れCacabelos➔Vega de Valcarce25.3km/累計612.2km

 6時起床。7時51分出発。
 うっすらと白みはじめた空を暗雲がおおっている。遠くの家の明かりはまだ夜のものだ。ガイドブックで分かれ道があることを読んでいてよかった。あまり迷わずに標識を見つけられた。

▼8時15分。雲がおおっているせいでまだ暗い。注意しないと標識を見落としてしまう。

 ようやく体が軽くなった。ウォームアップ完了。今なら、リュックを背負ったまま、テニスを1ゲームできるよ。絶好調。

 歩きはじめて20分ぐらいたち、体が運動モードになると、いつもそんなふうに思う。が、それはせいぜい1時間ぐらいしか続かない。すぐにゲームオーバーがやってくる。このごろはその時間が早くなった気がする。

▼以前、飼っていたネコにそっくりの毛色。オマエ、こんなところにいたのか、とつい言いたくなった。

 アッ、今、急に思いだしちまった。昨日の夕食代、払ってなかったぜ! なんてこったい!
 あ~あ、死んでしまったネコの思い出が、なんで夕食代につながるんだよ。

 悪気はなかったんだ、許せ。イングランドじいさんとの四苦八苦の英会話で、脳がパンクしてたんだ。それに加え、バルの食事での前払いが身についてしまったのもまずかった。いつも注文と同時に払っているから、食べたあとでのお勘定など頭に浮かんでこない。

 旅が長くなると緊張感がなくなってくるんだなあ。もっと気を配ること。集中、集中。こころしなければ。
 いずれにしても、ここまで来てしまったら、引き返すわけにはいかない。気を取りなおして歩こう。まだ先は長い。

▼ブドウ畑の向うには霧。このあたりの標高は600~700メートルといったところか。

▼9時17分、ビジャフランカ・デル・ビエルソの町に到着。

▼町の入り口にあるサンティアゴ教会。右の巡礼路を歩いていくと、建物の正面に閉ざされた門が見える。それが、サンティアゴ大聖堂と同様の「贖罪」を与える「赦しの門」だ。

▼赦しの門。この門をくぐることで、あらゆる罪が赦されるという。今日、ここを通るとはなんという偶然か。これはまさに神のお導き。扉は固く閉まっているので、やむなく門前で黙祷。無銭飲食の赦しを乞うた。
 ビジャフランカ・デル・ビエルソは、赦しの門で深く黙祷して通過。

 ちなみに、赦しの門が公式に開かれるのは、聖年が始まる前日の12月31日、30分ほどのセレモニーのときだけだそうだ。

 ただし、病気やケガでサンティアゴまでの旅が不可能、という医師の診断書があれば、赦しの門が開かれて病人は門をくぐり、罪を赦される。つまり、サンティアゴ大聖堂の聖ヤコブの墓に詣でたと同じ効験を得られるわけだ。

 町の出口にある巡礼者像を左に見ながら
国道を歩く。

 10時16分、大木の陰で小雨をよけながら休憩&軽い朝食。

 休んでいる間に雨はやみ、再び歩きはじめるとすぐに日が照ってきた。降ったりやんだり日が照ったり、天気がコロコロ変わる。そのたびに雨具を脱いだり着たりで面倒だが、こればかりはしかたがない。

▼国道N-VIの巡礼路は、歩道と車道が分離されているので安全に歩ける。日が照ってきた。

 少しずつ歩くスピードが遅くなる。国造沿いのこの道は、まるで日本の道を歩いているようで、おもしろくない。風景も平凡だし、元気が出ない。

 こんな風景の中をただ歩くだけだと、ドラマの生まれようがないなあ。ドラマがないとつまらないと感じるこのごろ。この旅も歩くのはあと10日ほどになったが、どのようにしてドラマを作るか。むずかしい。
 下手な考え休むに似たり、か。おっと、休憩所がある。休んでいくか。

▼1時間歩いただけでまた休憩。この道はどうも意気があがらない。

▼ほこり除けのトレイルランニング用ゲイター。右足用のチャックが壊れてクリップどめで歩いている。

 11時41分、小休止終わり。出発。さっき追い越した南米系の2人が追いついてきた。3人で縦一列になって歩く。晴れていたと思ったら、また少し降ってきた。が、すぐにやむ。今日はその繰り返しのようだ。
 20分ほど歩くと道路沿いにバルがあった。休むんならここにすればよかった。ネコを見かけ、写真を撮っただけで通過。

▼巡礼路沿いにあるバルは、まさにオアシスだな。次々に巡礼者がやってくる。

▼バルで飼われているのか、あるいは野良か、人なつっこいネコ。毛色はサバトラ系だ。

▼こちらは黒一色。家で飼っているネコも同じカラスネコ。ちょっと貧相な顔がそっくりだった。

 1時14分、バルで遅めの昼食。ハムをはさんだボガディージョとオレンジジュース。ボガディージョは相変わらず大きい。

▼ボガディージョとオレンジジュースはお昼メニューの定番。

 昼食が終わって出発。残り3kmだから難なくこなし、2時7分には目的地のベガ・デ・バルカルセの標識を通過して村に入る。
 泊まるのはガイドブックに載っていたペンシオン・フェルナンデスにするつもりなので、案内看板を頼りにさがしたらすぐに見つかった。ガイドブックには30ユーロと書いてあったが、25ユーロに値下げしていた。ラッキー。

▼コンパクトで清潔なペンシオンの部屋。角部屋だったのでこれまたラッキー。

 ペンシオンの窓から外を見ると天気雨が降っていた。建物の左下をバルカルセ川が流れ、小さな滝となって瀬音を立てている。目を上げると、左手の山を縫って高速道路が走っている。静かな山間の村だ。さすがにいいところを紹介するじゃないか。

▼2階の部屋から見たベガ・デ・バルカルセ村の風景。

▼馬が2頭、のんびりと草を食んでいた。なんの木か知らないが、赤い葉が秋を感じさせる。

  雨が降ったりやんだりで、外歩きもおっくうだ。部屋でホームページの仕上げ。ようやく食道がん闘病記の「寛解4年目」ができあがった。今度、Wi-Fiが使えるところでアップしよう。

 夕方、村を散策しながらバルをさがして入る。巡礼者メニューが見当たらず、しかたがないのでお昼に続いてボガディージョ&カフェオレで簡単にすませた。
 ところが、じつは巡礼者メニューがあったのだ。わたしより先に来ていながら、ずっと待っている人がおり、わたしが食べ終わるころに出てきた料理がそれだった。くそっ、スペイン語ができれば聞いてみたのに。そうすればあの料理が食べられた。

▼村で見かけた変なもの。こいつはいったいなんだ?

 部屋に戻ると寒い。暖房用のスチームはあるが、まだ蒸気が通っていない。予備の毛布もない。今夜は着こんで寝るしかないな。
 明日の荷づくろいをすませると、ようやく暗くなってきた。やることもないし、もう寝よう。
 8時54分、就寝。


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     ◆聖地巡礼:カミーノ・デ・サンティアゴ