今日は午前3時過ぎに目が覚めてしまった。一度、目が覚めると、もう眠れない。いつものことだ。
宮古島も今日で最後。空港まで14キロ歩き、あとは帰るだけ。これぐらいの距離なら、早起きしても体力には問題なしだ。起きるとしよう。
起きてはみたが、外は真っ暗。朝の散歩というわけにもいかない。
旅日記を整理する。やり始めると、これは案外時間をくう作業なのだ。7時半までかかってしまった。
終わって、民宿の近所を散歩。メインの通りから一歩裏に入ると、狭い畑と林がある。そこで電柱が途切れている。こっち側は人が住めないということか。
裏道を抜けて大通りに出ると、東の空が紅くなってきた。雲は多い。昨日のような快晴は望めないようだ。あ、今、雲の切れ間から太陽が顔をのぞかせた。
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雲間から太陽がチラリ。朝から上天気とはいかないが、なんとかなりそうだ。今日で最後なんだから、晴れてほしい。 |
朝食はキッチンでカップ麺をつくって食べる。民宿のおばあちゃんが、沖縄野菜のサラダをふるまってくれた。おかみさんは、泊まっていた修学旅行の高校生を空港まで送っていったそうだ。
耳の遠いおばあちゃんを相手に、ラーメンを食べながら、とりとめのない話。つい大声になるが、それはいつものことだ。わたしのカミさんも耳が遠いもんだから。まるで自分の家にいるような感じだ。
のんびり過ごして、遅い出立。9時43分。
空港から帰ってきたおかみさんが見送ってくれる。いい宿だった。また来たいものだ。
ほんの数分歩いて、前浜ビーチに続く砂浜に出る。雲もほとんどなくなり、晴れてきた。砂の白さが目に痛い。サングラスは必携品だ。午前中はこの砂浜をずっと歩き、突端の西浜崎を回りこんで与那覇湾沿いに空港まで行く予定。サングラスでもまぶしすぎるかなあ。
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光が当たると砂の白さがきわだつ前浜ビーチ。本当に目が痛くなる。 |
ビーチには、修学旅行生たちがウェットスーツを着てたむろしている。いい天気になって気温も上がってきた。泳げそうなあったかさだ。
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修学旅行のダイビング体験で、順番待ちのグループ。カメラを向けるとピース。いい天気でよかったね。 |
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砂浜のあちこちで、修学旅行の高校生たちが沖縄の海を楽しんでいた。このグループはバナナボートに乗るようだ。 |
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時刻はまだ11時前だが、気温はぐんぐん上がり、まるで初夏を思わせる暑さだ。バナナボートで疾走する高校生たちの歓声も夏のもの。とても1月とは思えない。 |
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海もきれい。透きとおった水が小さな波となって静かに打ち寄せる。 |
砂浜を歩く。喧騒が消え、浜辺は静かな波の音だけになる。太陽は背中から光を投げかけ、砂浜にはわたしの黒い影ができている。ほかにだれもいない。海は明るく、砂はまたいっそう白い。
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人の気配のとだえた砂浜をひとり歩く。オキナワの海と空と白い砂。旅の最後に出合ったすばらしい風景に感謝。 |
ずいぶん歩いた。でも、海を見ながら、空を見ながらだから、時間はかかっているものの、距離にすれば7、8キロだろう。これほど気持ちのいい歩きはかつてなかったな。
砂浜が終わり、西浜崎を右に回りこむと、与那覇湾に出る。とたんに、湾を渡って吹きつける強い風が、体をつつむ。そこから先はテトラポットで埋めつくされていた。もう海岸は歩けない。いよいよオキナワの海ともお別れだ。
防潮堤の階段をのぼり、木立の中の小道に入る。下地の集落を抜け、1時間も歩けば空港だ。いい旅だった。
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