ペンション美南海は一泊二食だったので、朝食を食べてから出発。マリンガーデンの展望台経由で、ゴルフ場沿いの道に出る。
風は冷たい。とはいえ、長そでシャツ一枚で我慢できなくもない。雲は多めだが、その合間に青空がのぞいている。予報は曇り一時晴れ。雨の心配はない。
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ようやく日が射してきて、ゴルフ場わきに植えられたマングローブの大木も緑がまぶしい。朝から晴れたのは今日が初めてだ。
ところで、マングローブという名前の木はないそうだ。
潮間帯(満潮になると海水が満ちてくる場所)に生えている植物をまとめてマングローブと呼び、宮古島には、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギダマシという4種類のマングローブが生育していると教えられた。
さて、これはなんの木だろう? |
天気はいい。足の痛みもない。靴はがっしりとサポートしてくれる。歩きに自信満々。快調、快調。こんな状況は珍しい。
そういえば、ペンション美南海のおばさんは、定年になったら四国八十八か所を一年かけてのんびりゆっくり歩きたいと言っていた。
定年まであと何年あるの、と聞いたら、あと一年。もうすぐだ。楽しく歩いてほしい。
9時→うえのドイツ文化村、10時→入江湾の展望台のある橋、11時→下地地区公園のテニスコートと、順調に通過。
こんなに楽に歩けるのも、今日の歩きは午前中で終わりという余裕からだろうな。明日が最終日だし、午後はのんびり過ごす予定にしてあるのだ。
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うえのドイツ文化村の博愛記念館。中世ドイツのマルクスブルグ城を再現したものだという。あとで知ったのだが、ベルリンの壁も展示しているそうだ。見逃したのは残念。 |
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橋の上から見ると、川のようだった入江湾。とりたてて興味を引くものもなかった。 |
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下地地区公園のテニスコートはけっこう荒れていた。使う人が少ないのだろうが、苔のようなものがはびこっている。冬でもあったかいし、湿気も多いのだろう。あ〜もったいない。 |
宮古島のテニスコートはここで3つ目。どこも設備はオムニコートの立派なものなのに、いかんせん管理がうまくいっていない。荒れるにまかせてほったらかし。そんな印象で、せっかくの投資がまったく生きていない。わたしにまかせてくれれば、きっちり整備して、思う存分テニスができるようにするのに。
文句を言ってもはじまらないが、ブツブツつぶやいているうちに、もうすぐ、今日の宿である「民宿・すだぁーす家」に着きそうだ。目印は来間大橋。そのたもとにあるはずだ。
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遠目に警官、近寄ってみると、かの有名な「宮古島まもる君」だった。来間大橋はまだ遠いのでしょうかね。 |
なんだかんだ言っているうちに「すだぁーす家」に到着。歩きはじめて3時間半、14キロの道のりだった。今日はここで終わり。午後からは来間島と与那覇前浜ビーチでゆっくり過ごす予定だ。
「すだぁーす家」は、今回の旅でいちばん雰囲気のいい宿だった。
部屋も広いし、サンルームのようになっている窓からの眺めがすばらしい。目の前に公園があり、その向こうに来間大橋、そして来間島が横たわっている。
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2階の部屋からの眺望。晴れわたった青空のもと、海と島と橋が輝いて見える。これがオキナワの風景だよ。 |
立地もベスト。宮古島、いや沖縄でいちばんきれいな砂浜だと断言できる前浜ビーチまで歩いて10分だもの、海が好きなわたしにはたまらない宿だ。
シャワーをあびてさっぱりしたあと、リュックに残っていたパンとリンゴをナップザックに入れ、いざ出発。来間大橋を渡って来間島へ。
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歩いている人は皆無。車もほとんど通らない。全長が1690メートルの来間大橋を歩く。
センターラインを歩いていると、十戒のモーゼになった気分。海が割れて現れた道を渡るとは、こんな感じなのだろうな。おっと、車がきた。
1995年の建設当時は沖縄最長だった来間大橋だが、2005年に沖縄本島の古宇利大橋(1960メートル)に抜かれた。
ちなみに、古宇利大橋も2014年完成予定の伊良部大橋(3540メートル)に、沖縄最長の座を譲る運命にあるそうだ。
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橋を歩いていると車がやってきて駐車。おじさんがおりてきて橋の下を見ている。なんだろうと聞いたらイカが泳いでいないか見ていると言う。真冬のこんな時期、イカなんかいるんだろうか。
しばらく目を凝らして海面をさがしたが、発見できず。おじさんも見つけられなかったようで、早々に立ち去っていった。イカがいたら釣りでもするつもりだったのだろうか。
橋を渡るとすぐのところに、展望台の案内板があった。行ってみる。
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来間島の展望台から見た大橋。船が通れるように中央部が盛り上がっている。そこは13メートルほどの高さがあるそうだ。
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展望台でしばし休憩。持ってきたパンとリンゴで軽い昼食。はだしになり、靴と靴下を乾かす。陽射しが暑い。吹きぬける風がじつに気持ちいい。
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展望台で昼食。靴や靴下はマメに乾かすこと。快適な歩きの必須条件だ。 |
展望台から元の道路に戻り、人通りのない島の道を歩く。少しいくと、来間島いちばんの観光スポット、竜宮展望台に着く。
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道の突き当りに顔をのぞかせているのが竜宮展望台。強い日差しを避け、木陰をぬって歩く。1月とは思えない暑さだ。
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竜宮展望台は、文字どおり竜宮城をかたどった建物というふれこみ。とはいえ、お城には見えない。まあ、ちょっと立派でカラフルな望楼といったところか。
眺めはさすが! さっきの展望台より、さらにダイナミックな眺望が広がる。う〜ん、絶景かな、絶景かな。晴れていて本当によかった。
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竜宮展望台から見た対岸の前浜ビーチ。白い建物は宮古島東急リゾート。海の色がなんともいえないほどきれいだ。
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伊良部島方面。原生林の緑と海の青さが、離島の雰囲気をかもしだしている。人の気配が感じられないという景色も、なかなかいいもんだ。
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時計は2時をまわった。そろそろ前浜ビーチのほうに行ってみるか。
来間大橋を戻り、30分ほどでビーチに着いた。
この時期、観光客はほとんどいない。唯一、見かけるのは修学旅行の高校生たちだ。1月が修学旅行のシーズンとは知らなかったよ。
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与那覇前浜ビーチの砂浜。さっきまではしゃいでいた修学旅行の高校生たちがいなくなると、浜辺は静かな波の音だけになる。 |
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前浜ビーチから見た来間大橋。そろそろ日も暮れようかという時刻だが、空はまだ昼の余韻を残している。
そんな浜辺に、ひとりたたずむ女性。なにやらいわくがありそうだ、と、ついいろいろ想像してしまうのがわたしの悪いクセ。 |
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高校生たちがつくっていた砂山。もう少し潮が満ちれば消えてしまう。 |
さて、引きあげよう。今日は楽しい一日だった。
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前浜ビーチから砂浜伝いに宿に帰った。部屋に戻ると、ちょうど日が沈むところ。雲がなければすばらしい夕日のはずだが、じつに惜しい。またの機会ということだな。 |
「すだぁーす家」は素泊まりなので、夕食は歩いて30秒のところにある喫茶・蜃気楼で。ゴーヤチャンプルー定食を食す。ご飯に添えられた沖縄味噌がウマかった。
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ゴーヤの火の通り具合が絶品。自分でつくると、どうしても柔らかくなりすぎるのだが、これはシャキッとしてるのに生ではない。プロの技だなあ。 |
ボックス席では、島人4人が酒盛りをしていた。店を出るとき、駐車場に車が4台とめてあるのに気づく。帰りはどうするんだろう?
外に出ると日は完全に落ちていた。来間大橋の道路照明が淡く光っている。その向こうの空には雲が出ていた。でも、予報では明日も晴れだ。そうあってほしい。
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夜の来間大橋。黒い雲は心配だが、最近の天気予報はよく当たる。明日も晴れることを信じよう。 |
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