ペースメーカーの憂鬱 【033】 メインテート錠の減量 |
033 ♥ 2017.01.10 メインテートによると思われる、脈拍50の頻発についてY先生に聞く。 先生の見解は、50を異常値と決めつけるわけにもいかない。正常値が70とはいえ、それは平均値で、高いときも低いときもある。 それはそのとおり。でも、実感として低すぎ感は否めない。 そもそもどんなデータから、わたしの脈が高いと判断したのか、教えてほしい、と詰め寄る。 わたしとしては、○月○日○時あたりの、この心電図がそうだ、など、具体的なデータを示してくれるものと期待していた。 いつもパソコンに向き合いながら話をしてくれるので、パソコンで心電図を検索し、それを見せるのはお手の物のはずだ。 しかし、先生は「期外収縮だったかな」とボソッとつぶやき、パソコンでデータをさがしだした。 えっ、期外収縮? そんな話は初めて聞く。わたしの不整脈は「房室ブロック」としか言われていない。それ以外に期外収縮もあったのか。 期外収縮については、ペースメーカー手帳の読み方を調べたとき、目にした言葉だ。不整脈のひとつだが、深刻なものではない。正常な人にも見られる脈の乱れで、ほとんどは自覚症状もないし、治療の必要もない。 えっ、なに、と思ったが、先生は、そうつぶやいたきり、パソコンでずっとデータを確認している。 しばらく待ってもらちがあかないので、わたしは、パソコンの心電図データにはバイアスがかかっている可能性があることを話した。 検査入院時、めまいを起こそうと、病棟内で必死になって運動していたこと。だから、ときどき異常に高い脈があっても不思議じゃないこと。 また、S先生や看護師たちと、そうした情報の共有がなされていなければ、心電図だけでの判断は正確さに欠けるおそれがあること。 そんな話をして、先生の見解をうかがうと、先生は、やがて運動負荷試験時のデータを画面に出し、試験の最初から脈が100ぐらいあり、負荷がかかるにつれて急速に上昇している。もう少し低くしたいなぁ、とおっしゃる。 運動時に脈が高くなるのは当たり前じゃないんですか。 そう聞くと、いや、いや、急激に高くなっていくと、から打ちになるからこわいんですよ、という返答。 から打ち? これは、充分な拍出量がないまま、心臓が次から次へと拍動してしまうことだと言う。そういう現象については勉強していたのでわかる。 たとえば典型的なのは細動。 細動については前に調べていた(第028回)。なるほど、から打ちとはそういうことか、と理解できる。これは納得。 そんなやりとりをしているうちに、今回も時間切れだ。看護師が「先生、次の患者さんが……」と顔を出す。 やれやれ、わたしが最も聞きたかったことは、何も話してもらえなかった。 今日の結論としては、 ・メインテート錠は現在の半分の量で継続する。2.5mg→1.25mg。 ・手術前と同じ運動をして、脈の計測をする。 という話に落ち着いた。 先生は簡単に、前と同じ運動をしてみてください、もうやれますよ、と言う。 だが、わたしとしては慎重にならざるをえない。へたなことをすれば、リードが切れるかもしれないのだから(第031回で説明したとおり)。 慎重に運動しながら、脈の上昇傾向を把握する。それが今とれる最善策だろう。 やっぱり、心拍計を買わなくちゃ。いろんな種類のものがあり、多すぎて選びきれず、延ばし延ばしにしてきた。早急に買おう。 なお、先生が言うには、わたしの最大心拍数は「137」だそうだ。わたしが計算した「152」とはずいぶん違う。これも心拍計で要確認だ。 【033・メインテート錠の減量】 |
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