天狗の湯
落合楼村上の露天風呂は天狗の湯と名づけられています(上の写真)。でも先にこの湯船に入る人は少ないでしょう。というのは、入り口の戸を開けるとまず目に入るのが薄暗い洞窟なんです。洗い場が岩壁に面しているのにはちょっとびっくり(右の写真)。
で、そのまま自然に奥へ進むと、お湯をたたえた洞窟風呂になっています。天井の岩の一角からはほとばしるお湯が一条の滝となって流れ落ち、かっこうの打たせ湯(写真右下)。肩から背中にかけ、落ちるお湯の圧力を感じながら天然の指圧にしばしうっとり。
洞窟風呂を堪能したあとぽっかり空いた穴をくぐると、そこが天狗の湯になっていました。ここを通らずに行くこともできますが、おもしろい構造ですね。
ちなみに天狗の湯という名前は、天城山中に住む天狗がしばしばやってきてはお湯を楽しんだ、という伝説に由来するそうです。
老舗の和の旅館
落合楼の玄関は昭和の初めの風情をそのまま残しているそうです。和の旅館のたたずまいが伝わってきます。
今回泊ったのは、濡れ縁と足湯付きの10畳の部屋。ここも和風の落ち着いたいいお部屋でした。
濡れ縁に座って足湯につかっていると、心から癒されますね。木々の間からは狩野川の流れがかいま見え、激しいくらいの瀬音もたまにはいいものです。カミさんはうるさいなんて言いますが、わび・さびの境地は瀬音があればこそなのに。
温泉=◎ 露天度=優
食事=◎ 部屋=◎ 接客=◎ 総合=★★★★★
★★訪湯者★★★★★
★さそり座の男62歳。隠居の身です。
★おとめ座の女57歳。家計を支えるために身を粉にして働いています。
★たまに子供や孫が同行することも。
★★評価基準★★★★
評価は4段階です。
◎=すごくよい
○=よい
△=普通
×=だめ
独断と偏見で決めていますので、悪しからず。総合評価は★5つが最高です。
★★露天度★★★★
露天風呂の定義をどうするかにこだわりがありまして、普通とはちょっと変わった採点法です。
というのも、露天の風呂といえば、露天になくちゃ、というわけですよ。
では、露天とは。
国語辞典では「屋根のないところ。野外。野天 (のてん) 」とあります。
つまり、露天風呂には屋根があってはいけません。それがこだわりというわけです。
で、
優=屋根なし
良=半分ぐらい
可=全面屋根
としています。
青天井の開放感は何ものにも代えがたい快感です。そんな露天風呂を探し歩いていきます。
11 湯ヶ島温泉 2010年10月16~17日訪湯
落合楼村上 静岡県伊豆市湯ヶ島1887-1 一泊料金=32.550円
濡れ縁と足湯。木々の先に狩野川(下の写真)が流れている。
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20人は入れようかという貸切の露天風呂。もったいないくらいの広さです。