スパハウスは水着着用の温泉。
夕食は部屋食でした
我が家の夕食とは大違いのご馳走がずらりと並びました。これも旅の楽しみのひとつです。その土地のご馳走を食べるのは至福の時間。食いしん坊バンザイ。
さて、今夜のご馳走は、お品書きによれば「菜の花豚のロースト」でしょうか。南房総の春らしいネーミングです。菜の花+豚のローストと解釈しましたが、ひょっとしたら「菜の花豚」という品種がいるのかも……。それから「地魚盛合せ」もおいしゅうございました。地元で仕入れており、冷凍物は使ってないと断り書きがあります。魚のおいしさを堪能しました。
上は巨大な桶を思わせる古代檜の漆塗り浴槽。下は酒香湯。
これでもかと並べられた夕食の膳。食べきれません。
海岸美術館
旅は早立ちと決めているので、今回も余裕たっぷりで現地に到着。あらかじめネットで物色していた観光ポイントをまわりました。そのなかで一番よかったのが海岸美術館です。
昼食をとった、目の前がすぐ海という潮風王国(千倉黒潮物産センター)を出ると、ナビは海と反対の山のほうを指します。海岸美術館だよ、海辺にあるんじゃないの、とナビに突っ込みを入れつつも、指示通り千倉の山里に向かいました。
10分ぐらい走ると、目的地の美術館です。ここは写真家の浅井慎平さんの作品を展示しているギャラリー。
「浅井慎平って?」
「ちょっと前に死んだ写真家じゃなかったっけ?」
「でも、最近、テレビに出てるような気が」
「そんなことはないだろう。とっくに死んでるはずだよ」
なんて話しながら行ってみると、浅井慎平さんは現役バリバリのカメラマンでした。そういえば、毎週、見ている日曜朝の「渇!」を入れるテレビ番組(そこしか見ないことが多いのでわかりませんでした)にコメンテーターとして登場してましたね。どうも失礼!
展望露天風呂の華幻 (かげん) は朝日が正面から昇ってくるそうです。泊った翌朝は曇っていて朝日は拝めませんでした。
下は入れ替えになるもうひとつの展望露天風呂。こちらは浴槽がふたつあります。
入館料800円。受付から階段を上って2階へ。通路の壁に展示された写真を観賞しながら、渡り廊下で隣の建物に行きます。入るとそこは、ちょっとした体育館並みの空間が広がる大きなギャラリーでした。
開放感がすばらしい。作品は壁に飾ってあるだけで、パネルなんかが立っているわけでもなく、ただただドーンと空間が広がっていました。なんとまあ、贅沢な使い方。というかもったいない。どうも貧乏人の性ですかね。
作品も開放的な空間にふさわしく、すばらしいものばかりでした。それらを見ながら思ったのは、写真を撮るという行為は、自分がいいと感じたものを選びとるということなんですね。自分はこれがいいと思う、どうだ、と突きつける。それが写真なんだと思いました。
砂浜に落ちている砂にまみれた古いマッチだって、それをアップでドーンと突きつけられると、恐れ入りました、となります。
いい写真ばかりでした。
庭園露天風呂
癒しめぐりの宿と銘打った夢みさきには、展望露天風呂以外にもこじんまりした露天がいくつかありました。
1階の大浴場はガラス戸を開けて入ると普通の温泉ですが、奥にもうひとつガラス戸があり、それを開けると庭園露天風呂になっているのです。
古代檜の漆塗り浴槽は巨大な桶を思わせる丸い湯船。隣に酒香湯と名前のある小さな浴槽、そして総檜造りの大きめの浴槽が、庭に配置されています。サウナや打たせ湯もあり、なかなかのものでしたよ。
そういえば、子供連れのお客さんが喜んでいたのが6階にある水着着用のスパハウス。いってみれば温水プールですが、これもれっきとした温泉ですよね。
そこから螺旋階段が上に続いているので聞いてみると、1階上に屋上スパがあり、天候がいい季節は入れるとか。10月から4月の間は閉鎖されているのが残念。見晴らしはとてもいいそうです。
客室のお風呂はベランダの一角にありました。目の前が大海原という雄大な眺めが楽しめるお風呂です。
下は泊った部屋。やや狭いと感じるのは贅沢に慣れたから? 海に面しているので眺望は抜群です。
海岸美術館の吹き抜けギャラリー。開放感いっぱいのフロアーには木製の素朴な長椅子があるだけです。真ん中の写真は暖炉のある一角。チロチロと焚き木が燃えていました。
海岸美術館の外観。まわりは緑の多い山里です。今は枯れている芝生が芽吹いて緑のじゅうたんになるとさぞかしきれいでしょうね。
浅井慎平さんの作品を撮ってみました。ストロボが反射してうまくいきません。太陽のような光はストロボ。この作品は不思議な撮り方をしているのですが、これでは不思議さがよくわかりません。ぜひ、実物を見て確認してください。