青 爺 残日録 ペースメーカーの憂鬱 【022】
PM手帳を読む 1 原疾患は2度房室ブロック


022 2016.10.04

 手帳の1、2ページ目は、名前や住所、主治医の連絡先など、緊急時に必要な情報が記されている。
 そして、左の写真の3ページ目から、ペースメーカーに関する詳細な情報になる。以下、各項目の内容を読みといていく。

ペースメーカ治療の適応となった原疾患
 チェックの入った病名が原疾患。わたしの場合は次の行だ。

Ⅱ°A - Vブロック(Ⅱ°A - V Block)

 それぞれの意味は下のようになる。

・Ⅱ° =心房→心室への電気伝導がときどき遮断される状態
・ A = Atrium(éɪtriəm) → 心房
・ V = Ventricle(véntrɪkl) → 心室
・ ブロック=伝導遮断

 つまり「A - Vブロック」とは、「心房-心室の伝導遮断」という意味になり、その状態が「2度」だから、ときどき遮断されるということだ。病名としては「2度房室ブロック」となる。

 心臓には「発電所」があり、心房から心室への伝導路に沿って電気が流れることは、前にも説明したとおりだ(第020回参照)。
 「2度房室ブロック」は、この心臓発電所からの電気が途中でときどき途切れ、心臓の動きが悪くなる病気。だから、ペースメーカーで人工的な電気を送り、心臓をちゃんと動かしてやりましょう、というわけだ。

 ちなみに病気が重くなると「Ⅲ°」になり、原疾患項目の1行目にチェックが入る。
 病名としては「完全房室ブロック」となる。
 完全 (Complete)なブロック(遮断)だから、A(心房)- V(心室)の電気伝導がすべて遮断(ブロック)されてしまう。ペースメーカーがないとお手上げ状態ということだ。

 原疾患のほかの項目は省略。
 なお、原疾患のなかで意味のわからない「SSS」を調べたら、「洞不全症候群」のことだった。これは房室の伝導障害(ブロック)ではなく、発電所そのもの(洞結節)の機能低下を指す。最悪、電気が発生しなくなることもある(洞停止)というからコワイ。

植込み回数
 文字どおりの意味。わたしは当然「初回」にチェックが入っている。          【022・原疾患は2度房室ブロック】

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