有形登録文化財のお風呂
 どうです、写真のお風呂。名前は「元禄の湯」です。いいですねえ、歴史を感じさせますねえ。ちなみに国の有形登録文化財です。おそれ多くも入らせていただきました。もちろん、文化財のお風呂なんぞは初体験です。
 建築は昭和5年。大正ロマネスクの様式を用いた造りを、当時のままの姿で今日まで守りつづけてきたといいます。その努力には頭が下がりますね。5つの湯船のほかに2つの蒸し風呂があります。サウナじゃありませんよ。蒸し風呂です。


評価
 温泉=◎  露天度=
 食事=
  部屋=  接客=  総合★★★★
★★訪湯者★★★★★
さそり座の男62歳。隠居の身です。
おとめ座の女57歳。家計を支えるために身を粉にして働いています。
たまに子供や孫が同行することも。


★★評価基準★★★★
 評価は4段階です。
  ◎=すごくよい
  ○=よい
  △=普通
  ×=だめ
 独断と偏見で決めていますので、悪しからず。総合評価は★5つが最高です。


★★露天度★★★★
 露天風呂の定義をどうするかにこだわりがありまして、普通とはちょっと変わった採点法です。
 というのも、露天の風呂といえば、露天になくちゃ、というわけですよ。
 では、露天とは。
 国語辞典では「屋根のないところ。野外。野天 (のてん) 」とあります。
 つまり、露天風呂には屋根があってはいけません。それがこだわりというわけです。
 で、
  優=屋根なし
  良=半分ぐらい
  可=全面屋根
 としています。
 青天井の開放感は何ものにも代えがたい快感です。そんな露天風呂を探し歩いていきます。
10 四万温泉  2010年9月24~25日訪湯
   
積善館 
 群馬県吾妻郡中之条町大字四万温泉   一泊料金=25.000円

湯けむり温泉
露天めぐり

10湯―四万温泉

蒸し風呂はサウナより気持ちいい
 人ひとりが入れるぐらいの小さな部屋が蒸し風呂です。中にはタイル貼りのリクライニングソファ? 背もたれの角度は固定です。この背もたれの下、床の部分に穴があいていて、温泉がふつふつとわき立っているわけですよ。で、その蒸気が狭い部屋に充満し、じんわりと体を温めてくれます。サウナのようなツンとくる暑さは皆無。温泉の蒸気ですからしっとりとやさしく体を包む感じで、超いい気持ち。
千と千尋の神隠し
 レトロな雰囲気いっぱいの積善館は、名作アニメのイメージモデルになったそうです。言われればまさにこの風景を「千と千尋の神隠し」で見ましたね。
 

秋の雨にぬれる鮮やかな朱色の橋――慶雲橋を渡ると積善館の本館。元禄4年から受け継がれ、現存する日本最古の湯宿建築ということです。ちなみに「千と千尋」では、赤い橋の向こうに煙がもくもく出ている湯屋がありました。

左の写真は本館と山荘をつなぐ浪漫のトンネル。これまた「千と千尋」に出てくる、不思議の街へ続くトンネルとイメージが重なりませんか。

また来たい湯治宿
 温泉というのは元来、湯治が目的だと思います。病んだり傷ついたりした体を癒すために、心身を開放してお湯につかる――。温泉の発見譚で、傷ついた獣や鳥が湯あみをしているのを人間が見つけ、どれどれ、わしもひとつ……とお湯につかったのが起源という話が数多くあります。
 積善館の本館はそうした湯治宿として使えるそうです。ただし、冷房なし、部屋にバス・トイレはなくて共同、布団の上げ下げは自分で、となります。実にいいですねえ。今度はぜひ湯治を目的に、ひと月ほど滞在したいものです。

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露天の杜の湯(上)のほかに、岩風呂(左)や山荘の湯(右)など、いろいろな温泉を楽しみました。