005 ♥ 2016.07.03 手術から3日たった。今日から病棟内フリー。 朝起きるとすぐにナースステーションへ行き、お風呂を予約。9時からOK。3日ぶりだ。ただし、お湯につかるのは下半身のみ。上半身は拭くだけ。洗髪もNG。 洗髪は、頼べば、病棟内のコインランドリー脇に設置された洗髪台で、看護師がやってくれる。お風呂のあとにお願いし、全身、さっぱり! 午前中、傷口のガーゼ交換のためにY先生来室。手術創の回復は順調とのこと。遅ればせながらペースメーカーに関する初歩的な疑問をお聞きした。 *まずペースメーカーの寿命――本体・リード・電池の寿命はどのくらいなの? この質問に対し、衝撃の回答。なんと「本体の寿命=電池の寿命」だと言う! どういうことかというと、電池の寿命がきたら、電池を交換するのではなく、本体ごとそっくり取り替えると言うのだ。 えっ、そんなバカな! ノートパソコンの電池が寿命を迎えた。じゃあ、電池交換ね、ですむところを、パソコンごと買い換えなさい、と言われるようなものだ。 呆然、茫然、仰天、絶句……。 しばし言葉も出なかった。身のまわりの電化製品で、電池の寿命がきたら本体ごと捨ててしまい、買い換えるものなんてあるか? ない! 寡聞にしてわたしは知らない。 今日、初めて、電池がなくなったら本体ごと捨て、買いなおす電化製品があることを知った……。
Wikipediaにも「電池交換は本体そのものの交換を意味する」と書いてあるところをみると、これは世間の常識のようだ。まったく知らなかった。情けなや……。 下の写真はMy Pacemakerと同じ型式のものだ。下側の楕円形部分に電池と制御回路が収められている。写真で見る限り、電池を出し入れするような箇所はない。写真は表側だが裏も同じような仕上がりになっているのだろう。
ペースメーカー本体がこれほど完全に密閉されているのは、長期間、体内に植込むからだと推察できる。体液の侵入は絶対に許さない。そんな強い意思が働いている気がする。 それは、ある意味、頼もしいことではある。 さりながら、まだ十分使えるはずの本体まで捨ててしまうのも、なんだかなあ、の気分。もったいない。 手術前、電池がなくなれば、皮膚を2センチぐらい切開し、本体から電池を取り出して交換。あとは1針、2針ぬえば終わり。ごく簡単な手術ですむと思っていた。 いやあ、知らないということはオソロシイ。 電池交換ができるうえに、40年、50年もつ封入システムを開発していただければ、わたしがイメージしたとおりの簡単な手術で電池が替えられるのだが。 それはさておき、肝心の電池寿命だ。先生の話では、だいたい7~10年のようだ。先のWikipediaにはこう記されている。
わたしが植込んだペースメーカー・PM2272をつくっているセント・ジュード・メディカル社の「しおり」には「5年から10年くらいと考えておいてください」と書いてある。 ま、最短5年、最長10年ぐらいが電池の寿命か。いずれにせよ、生きてる間に一度は、電池交換の手術をすることになりそうだ。 それにしても5年と10年じゃ倍も違う。なるべく長持ちさせたいところだが、こればかりはなかなか思いどおりにはいかないようだ。 電池を長持ちさせるには、使わなければいい。 で、ペースメーカーが電池を使うのは、心臓の脈がとぎれたことを感知し、電気信号を発生させるときだ。 脈がとぎれたかどうかは、ペースメーカーが自動的に感知する。感知した瞬間に心臓へ電気信号が送られ、心臓はとぎれた拍動を再開する。 その間、本人は脈がとぎれたことをまったく知らないまま、人工的な心臓刺激で拍動が再開するから、何も感じないですむ。 ペースメーカーがなければ、脈がとぎれたあとが大変だ。めまいを起こしたり失神したり、わたしもさんざんな目にあった。 心臓の拍動が乱れる不整脈とは、そういう病気だ。 不整脈についてはあとでまたふれるとして、いずれにせよ、脈が頻繁にとぎれる人と、そうでもない人では、電池の消耗度が違うということ。Wikipediaの「ペースメーカー依存度」とはそれを指している。 さて、わたしは依存度大、あるいは依存度小、どちらのタイプなのだろう? それによって、電池交換手術が5年後になるか、はたまた10年後でいいかが決まる。 電池はなるべく使わないようにしたい。 でも、そんな方法はないような気がするのだが、さて? 【005・寿命が同じとは?】 |
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