001 2016.06.30

 今日、左の胸にペースメーカーを植込んだ。手術をやる前からなんとなくイヤだったが、やってみたら本当にイヤなことがわかって、ガックリきている。

 何事も、体験してみなければわからないという。
 たしかにそのとおりだけど、体験して本当のことがわかったときには、もう手遅れということもある。
 そんなときはどうすればいいのか?

 どうしようもないやね。もうやっちまったんだから。今さら無しにはできっこない。それが世の常というものだ。

 というわけで、左の胸の鎖骨の下を6センチほど真横に切り、皮膚の下に「ポケット」をつくって、手のひらに収まる大きさのメタルがギュギュッと押し込まれた。
▲セント・ジュード・メディカル社の「アシュリティ MRI」(右)が、わたしに植込まれたペースメーカーだ。縦47mm×横51mm×厚さ6.7mm/容積10.4ml/重さ19.6g。(同社のホームページより引用させていただきました *1)。

 とっても痛かった。わたしの体は麻酔の効きが悪いのか? 手術中には、ほかにも痛いことがあったが、その話はまた。

 とにかく、どげんもならん――

 たまに田舎の言葉が出てしまうのは、歳のせいか。

 どげんもならんほど後悔したのは、ペースメーカーを植込むとはどういうことか、ほとんどわからないまま、ついつい流れで手術をやってしまったことだ。

 百聞は一見にしかず。下の写真をご覧あれ。これがMy PaceMakerだ。手術直後、あお向けの状態で撮影したレントゲン写真。

 ペースメーカーなんか部分麻酔でちょちょいのちょい。わたしは単純なので、かる~いイメージでとらえていたが、手術前にこんな写真を見せられていれば、ウームと考え込んだはず。

 ペースメーカー本体から細い線が体内に伸びている。これは「リード」と呼ばれ、ペースメーカー本体で発生する電気信号を心臓に送るための導線だ。
 えっ、大丈夫かよ? コワすぎ。

 さらにコワイのが、リードの先端は心臓の内壁にがっちり食い込むような構造になっていること。内壁、すなわち心臓の中だよ!



 写真ではよくわからないが、リードは鎖骨付近から静脈に入る。早く言えば血管だよ。その中にもぐりこんでスルスル進んでいけば、リードはいやおうなく心臓の内部、心房に達し、次には心室に至るわけだ。ちなみにリードは2本もある!

 心臓の内部に、こんなグニャグニャ金属線が収まり、これから5年、10年、いや死ぬまで存在しつづけるなんて、まさか神様だってご存じないだろう。

 ま、そんなことはないか。神はすべてお見通しだ。
 しかし、神ではないわたしは、まったく・全然・少しも・かけらも……知らなかった。今、深く反省しております。

 部分麻酔の簡単な手術だとペースメーカーを軽んじ、よく知りもしないのにホイホイ決めてしまった自分がまったく情けない。キカイ人間になってしまったのも自業自得なり。

 とはいえ、ひとこと付け加えさせていただけるならば、ちょっとした運動で失神してしまうほどの不整脈を治す手段は、今のところほかにはございません。
 残念ながら、心臓をきちんと動かしたければ、グニャグニャと付き合うしかない。

 人間、長く生きていれば、これまたやむなしということだなあ。
 あ~あ、どげんもならん。まことに浮世は憂鬱だ。          【001・植込み手術】

参考データ
*1 http://www.sjm.co.jp/medical/crm/assurity_mri_endurity_mri.html

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サイト運営の青爺より
68歳でペースメーカーを
植込んだ隠居じ~さんが、
思いどおりにいかない暮らしに
ブツブツ・ボソボソと
憂さを晴らす枕草紙です。
どげんもなら~ん
が口癖の、どげんもならん
ペースメーカーの真実とは?










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