014 2016.08.01

 ペースメーカーの植込み手術から1か月。左腕を大きく動かしたらアブナイ。その心理的な圧迫が強く、体を動かしても爽快感なし。

 というか、運動しても動作が控えめになるので、汗も出ないし、疲れも感じない。メリハリのないことおびただしい。でも、リードが外れたらおしまいだからね。今はそっと生きるしかない。

 さて、そっと生きるためにも、身の回りの危険を取り除かなくちゃ。歯医者、体重計の次は、車のキー。これが、けっこうアブナイのだ。

 わたしが乗っているのはスズキのワゴンR。3年前の購入だが、機能的には新しいものがついていた。前の車と比べ、便利だなと思ったもののひとつに、スマートキーシステムがある。

 ワゴンRではキーレスプッシュスタートシステムと呼んでいる。キーレスという名前がついているが、それより進化したスマートキーシステムといえる機能だ。

 携帯リモコンを所持しているだけで、キーを使わなくても、エンジンの始動・停止、
▲携帯リモコン。所持しているだけで、使うことはない。
ドアの施錠・開錠ができる。

 ワゴンRに買い換えてから、携帯リモコンはウエストポーチに入れっぱなし。キーなしでエンジンをかけ、ドアを開閉する。
 これは便利だよ。一度使うと、離せなくなる。

 しかしながら、例によってこのラクチン生活も、ゆめ幻と消え去ることに。
 原因は、これまた例によって、電磁障害にある。

 スマートキーシステムでは鍵はいっさい使わない。かわりに「電波のやりとり」で、エンジンをかけたりドアを開閉する。

 使い方はいたって簡単。ドアを開け閉めするときは、アウターハンドルに付いているボタン(ドアリクエストスイッチ)を押すだけ。エンジンも、スイッチボタンを押すだけでスタート・ストップできる。

 使うのは簡単。だが、その間、やりとりしている電波に目を向けるとびっくりする。たとえばドアの施錠・解錠。マニュアルによれば、
①運転席ドアアウタハンドルに設置されたドアリクエストSWを押す。
②BCM&J/Bはアンテナを起動させ、携帯リモコンにリクエスト信号を送信する。
③リクエスト信号を受信した携帯リモコンは、BCM&J/B(内蔵アンテナ)に暗証コードを送信する。
④BCM&J/Bは、登録済暗証コードとの照合とリモコンが室内検知エリア内にあると判定ができた場合、そのときのドアロック状態に応じて各ドアロックモータを作動させる。
 下図でわかるように、車内には5個のアンテナ(発信機)が設置されている。状況に応じ、そのアンテナから電波が発信される。受信した携帯リモコンからは、応答電波が発信される。それを受信した車内アンテナから電波が発信され……と、電波が飛び交う。
▲車内のアンテナ(発信機)と携帯リモコンは、電波をやりとりしてドアの開閉などを制御する。
 いつもいつも電波が飛び交うわけではない。だが、そのタイミングがよくわからない。狭い車内で、知らず知らずのうちに電波のシャワーにさらされているかも……。

 しかも、例によってマニュアルには「!警告」マークとともに、
 「植込み型心臓ペースメーカーを使用している方は、各発信機から約22cm以内の範囲にペースメーカーが近づかないようにしてください」
 と厳重注意。これって心臓によくないよなあ。

 それにしても22cmってどれぐらいだ? ん、助手席だと、座っただけでアウトじゃないか! これじゃあ、カミさんに運転をまかせたとき、おちおち居眠りもできやしない。

 さんざん迷った。一度、便利なものになじんでしまうと、昔には戻れない。それに、根拠はないけど、電波シャワーなんてそんなになく、80%ぐらい大丈夫じゃない、と思ったりもする。

 だけど「22cmは離せ!」と警告された以上、あきらめるしかない。
 ワゴンRは、ペースメーカー使用者のために、キーレスプッシュスタートシステムを停止させるサービスを無料でやってくれる。

 無料はありがたいけど、嬉しくはない。どっちかというと泣きたい気分。またまた、どげんもならん。                            【014・スマートキー断念】

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思いどおりにいかない暮らしに
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