009 ♥ 2016.07.08 手術した6月30日から数えて9日目、午前10時に退院と相成った。 いろんなことがあったものの、手術自体は、「死ぬかも」などと感じることはまったくない、ある意味、気楽なものだった。それが、退院を迎えた今日の率直な印象だ。 ただし、これから先に関しては、なんだか大変そう、と、憂鬱にならざるをえない。それもまた率直な感想である。 退院となれば早く家に帰りたいのに、会計でひどく待たされる。さらに、事前に高額療養費の手続きをやっておけば、清算時に適用されることがわかった。その手続きの説明がなく、知らないままだったので、全額払ったあとの払戻しということになる。 なぜ、説明してくれなかったか聞いたところ、わたしが救急外来を受診し、そのまま入院したので、通常の入院で行う説明ができなかった、と担当者の弁。 この病院は、流れからはみ出た人をフォローする仕組みが整っていない。入院中、いろんな面でそうした不満を感じた。よく事故が起きないものだと思う。
そういえば、がんの闘病5年で得た教訓がある。――自分の身は自分で守ること! 病院や医者が病気を治してくれるのではない。病気を治すのは自分である。他者に頼らず、自ら病気に立ち向かえ。 それをあらためて肝に銘じた入院であった。 本来なら、明るく前向きになるはずの退院も、今日のわたしにはあまり喜べない。これから先、ペースメーカーをかかえて、何かおもしろいことがあるのだろうか? それはさておき入院・手術費の清算だ。 わたしの場合、救急外来を受診し、即日入院。入院後に各種の検査を行い、手術決定となった。そのため、いわゆる検査入院の期間が1週間ある。結果、入院日数は17日と、やや長くなった。 で、費用は60万9200円也。 68歳、年金暮らしの隠居老人、蓄え少々。 払えない額ではないから、高い・安いは言わない。さらに、次のような計算もある。 たとえば、健康保険がなかったら、支払額は、203万666円になる……高い! たとえば、高額療養費制度を使えば、支払額は、3万5400円になる……安い! 日本人なら、健康保険も高額療養費制度もすべての人が使える。わたしも、今日は60万9200円をカードではらったが、高額療養費制度のおかげで3万5400円ですむ(はずだ。まだ申請が通っていないので推測。 *1)。 不整脈をわずらっているわたしにとって、ペースメーカーはまさしく命そのものなのだが、その植え込み手術の値段が3万5400円とは、日本という国はしみじみいい国だと思う。ありがたい。こんな国に生まれてよかった。 年寄りには、不平・不満は数多くあれど、感謝・感謝のありがたさを感じるものは少ない。その少ないもののひとつが、国民皆保険の制度である。 ちなみに、MY Pacemaker の点数(リード2本込み)を診療明細書で確認してみると、12万2082点。診療報酬の1点は10円(*2)なので、定価122万820円となる。 3年前に買った軽自動車はそれより少し高かった。ま、軽自動車1台分、それがわたしの左胸に植込まれていると思っていいだろう。 なんだか、複雑な気分なり……。 【009・手術費用】 ♥ 参考データ *高額療養費は本人の状況(所得や年齢など)で異なってくる。ここでは例として、わたしが加入している健康保険の内容を紹介しておく。 *1 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/home/g3/cat310/sb3030 *2 ttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%BA%E7%99%82%E5%A0%B1%E9%85%AC |
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