●10のチェックポイント(e−クリニックのメールマガジンより)

1 情報発信者、所在地がはっきりしていること
 誰がどういう資格を持ってどういう立場で物を言っているかが明確でなければその情報(サイト)は信用しないほうがいいで しょう。そして情報発信の所在地も明確であることが信用の必須条件です。好きな者が好き勝手なことを無責任に言える昨今です。まずは発信者をしっかりと同 定することが情報収集の第一歩です。

2 医師が発信者であるか、少なくとも責任を持って監修していること
 人の生命に係わることですから、責任者の資格としてはそれなりの最低保障は必要です。不心得な医者もいますので決して十分条件とは言えませんが、できれば医師免許を持った者が責任を持って情報を発信して欲しいものだと思います。

3 情報発信責任者に会おうと思えば会えること
 これは非常に大切なことなのです。なぜなら、まったくのしろうと(業者)が医者の名を借りて情報を発信している場合がよくあるからなのです。私たちは疑問のある情報サイトに対しては、そのつど責任者に直接アクセスを試みるのですが、ほとんどがダミーで、仮に責任者と称する医者にアクセスできた場合 でもたいていは名義を貸しただけだと逃げられます。

4 断定的な言い方でないこと
「必ず治る」とか「必ず効く」・・・と断定しているものは避けるべきです。そのようなことはありえませ。(もしあればす でに広まっているはずです。)「必ず・・・」、「絶対に」・・・と言われるといかにも頼もしく耳には響くのかもしれませんが、それはあくまでもビジネス手法ですから、決して惑わされないようにしてください。

5 デメリット、安全性が明示されていること
 まずはデメリットと安全性が明確に示されていることが不可欠です。どんなものでも問題点や改善すべき点が必ずあるはずです。そう言ったコメントがまったくなく議論もされていないのであればその情報(サイト)は信憑性がないと判断していいと思います。

6 効果に再現性があること
 ある特定の場合でしか効果が発揮できないものであればそれは避けるべきです。仮に効果があるのなら、再現性がなければおかしいはずですし、そうでなければ偶然と考えるのが妥当だと思います。

7 人を対象としたデータであること
 マウスをはじめ動物を使った実験データが根拠になっているものは仮説にはなりえても結果の根拠にはなりえません。なぜなら、マウスと人間では生体の仕組みが大きく異なるからです。つまりマウス(動物)で効果があっても人間で効果があるという保証はまったくないのです。

8 体験談でないこと
「○○で治った」、「△△でやせた」・・・などのキャッチコピーは、ほとんどがでたらめと言っていいでしょう。少なくともそういう文言には乗らないことです。繰り返しますが、体験談だけでは科学的根拠の信頼度は低いと言わざるを得ません。

9 数が多いこと
 有効数が少なくては、信用度は低いと言わざるを得ません。少なくとも100人以上の有効数がなくては説得力に乏しいと思います。
 また、絶対数だけでなく、大切なのは分母です。仮に効果があったとするならば、少なくとも何人中、何人(何%)に効果があったかどうかを確かめるべきです。

10 論文になっていること
 原則として、有名科学雑誌の論文になっていないものはすべて仮説止まりと考えて間違いありません。学会で発表されたことを信頼度の高さの根拠にしている報道がよくありますが、それは大間違いです。なぜなら、たいていの学会は会費を払って会員になりさえすれば誰でも発表が可能だからです。ほとんどの学会発表は時の試練に耐えず、消えていきます。おそらく、残るのは万に1つもあるかないかだと思いま す。したがってそんなあやふやなことがらに振り回されることほどくだらないことはありません。

 有名科学論文≠学会発表

 同じくテレビや新聞などのメディアで大きく取り上げられたとしても、やはり仮説にはなりえても信頼度の高さの根拠にはなりません。