青 爺 残日録 脳梗塞よれよれ日記【017】
頻脈の大波小波に翻弄!
◆2017年04月04日(火) 発症27日目
 朝、いつもの気功ウォーキング。途中、息が切れる感じで気分が悪い。なんだこれは? たった数分しか歩いていないのに。

 とはいえ、気分が悪いのに強行すると、何が起こるかわからない。歩をゆるめ、深い呼吸をしながらゆっくり歩く。

 M大学の裏門をくぐり、坂を上った右手のベンチ前で、軽いストレッチ&テニスラケットの素振り。1か月ぶりだ。やっているうちに体調がよくなる。

 しかし、こんな有様では、入院で1か月休んだ分を戻すのに、倍の2か月ではきかないかもしれない。老いたりというべきか。

 昼間はデータ整理。夕方、4時半ごろ二度目のウォーキング。
 体がふわふわした感じ。こころもとない。5時ごろに帰ってきてもなんだかヘン。風呂に入る気力もなく、だらりと過ごす。

 そのうちいよいよ気分が悪くなり、6時ごろ、いつもの頻脈の予感。またかよ。脈拍は90台で推移し、100まではいかない。

 ただこれまでと違って、気分の悪さがひどい。しかもなかなか収まらず、胸の違和感がずっと続いている。たまらずT病院に電話。

 応対してくれた看護師に状況を報告しながら、長々と話す。その間、脈拍は90台から80台に落ちてきて、気分の悪さも少し収まってきた。

 しかし、収まったかと思うとまた気分が悪くなり、脈が上がっていく。
 そんなことを繰り返し、ようやく落ち着いたようなので、様子をみるということにしてT病院との電話を切った。

 こんな長話は初めて。不安感がそうさせた。よく相手をしてくれたと感謝、感謝だ。

 注意されたのは過呼吸。ハッハッと短い息をしていると、過換気症候群になり、ひどいと息ができなくなるらしい。

 過呼吸に陥いると気持ち的には苦しい。だが、身体的な異常はまったくないので、「30分ほどで治る」と信じ、なるべく浅くゆっくりと呼吸する。それで二酸化炭素濃度が上がれば、やがて治る。

 なお、深呼吸(深い呼吸)はダメ。むしろ、息を吸ったあとは、少し止めるぐらいでいいらしい。

 また、人と話すのも効果的。話しているときは呼吸をしていないから二酸化炭素濃度が上がり(このあたりの詳しい解説は*注1参照)、自然に過呼吸が収まっていく。


 19時52分、また上がってきた。脈拍93まできている。こんなことは初めて。大波、小波、何回も頻脈が襲ってくる。6時ごろからだから、もう2時間も断続的な頻脈。

 20時24分、脈が100を超えた。ペースメーカーの不調としか思えない。やはり病院に行ったほうがいいな。こんなときに限ってカミさんは仕事で帰りが遅い。

 ペースメーカー手術をしたT病院に電話してみる。先生(循環器)が診てくれると言うので、行くことにした。

 22時ごろ病院着。何度かお世話になっている救急外来へ。
 バイタルチェックは、脈104、血圧160。その後、救急処置室で心電図。そして夜間救急外来の先生の診察。

 以下に忘備録として医師の診断を箇条書きにしておく。

*ペースメーカーはちゃんと働いている。自分の脈が速いだけ。
*このくらいの頻脈なら感じない人は全然感じないけどもね。
*少なくともペースメーカーは変になっていないから心配しなくてもいい。
*不整脈でもなんでもなく、自分の脈が速くなっているだけ。心配いらない。
*脳梗塞の影響で自律神経のバランスが悪くなったせいかもしれないね。
*脳梗塞を起こした場所が血圧とか脈とかをコントロールするところに近いんですよ。

 話しながら、心臓を診てみますと、エコー検査を始めた。だが、心エコーでも異常は出ない。ペースメーカーOK、心臓もOK。

 安心するも、いまいち得心できない。これまで経験したことのない、たび重なる頻脈と気持ちの悪さ。原因が見当たらないのが、かえって不気味なのだ。むしろ、××が悪い、それが原因でしょう、と言われたほうが、気持ちはずっと楽になるだろう。

 どげんもならん、と心の中でぼやきつつ、診察を終えた先生の処方を聞く。

*今は薬で頻脈を抑える方法をとりましょう。で、決まった時間に飲むか、ドキドキしはじめたら飲むか、迷っていますが、まあ、頓服でいきましょうか。
*薬はインデラル錠10mg。今飲んでいるメインテートと同じグループ。ただ、効き目が早くあらわれ、早く効果がなくなる特徴の薬。
*通常は朝・昼・晩の3回飲む薬。早く効き、早く切れる薬。
*もしくは自律神経だと安定剤もあるが、今日は安定剤はやめておきます。
*脈が50のときに飲んでも意味がないので、脈の具合をみながら飲んでください。
*脈が上がったと思って飲んだら、急に下がり、50以下になっても心配ない。ペースメーカーが50でペーシングしてくれるから。
*ただ、血圧はペースメーカーではどうしようもないから、血圧が下がりすぎるとふらふらしたりボーッとするかもしれない。
*脈と血圧は比例しない。血圧も測っておいたほうがいい。
*血圧を測って100以下なら飲まない。110とか120ならOK。
*連続して飲まないこと。数十分の間をあけること。
*薬を飲んだ状態、使用量を主治医のY先生に報告すること。

 「この頻脈なら体がどうこうなることはないので、くれぐれもあわてないでいいですよ」
 
 こう念を押されて診察終わり。ありがとうございました。

 診察途中で仕事帰りのカミさんが来たので、車の運転はまかせ、グッタリ帰る。
 退院して10日も過ぎているのに、いまだにこんな状態だ。
 どげんもならん、どげんもならん、と、頭の中で声が響いている夜だった。
                               【017・頻脈の大波小波に翻弄! 了】


◆参考データ
*注1 「過呼吸・過換気症候群が生じたときの3つの対処法とあやまった対処法」は、古希を迎えようというわたしの人生には無縁のものだと思えた過呼吸だが、ひょっとしたら知らず知らずに過呼吸になり、苦しさを感じていたのかもしれない――そう思わせてくれたサイトだ。本当のところはわからないが、大いに参考になったので記録しておく。
*http://seseragi-mentalclinic.com/hyperventilation-treat/
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Contents
【001】アッ!ろれつが回らない
【002】梗塞とは細胞壊死のこと
【003】アテローム血栓性脳梗塞
【004】
ラクナ梗塞は15mm以下
【005】心原性脳塞栓症はコワイ
【006】
MRIは検査なしになった
【007】
脳梗塞の黒幕は動脈硬化
【008】退院できない眠れぬ夜は
【009】
アテローム血栓が原因?
【010】
医者の怒声が響いた面談
【011】心臓までおかしくなった
【012】
助けて!深夜の心臓異変
【013】
入院生活ともオサラバなり
【014】
MRI撮影ができない病院
【015】
ペースメーカーは異常なし
【016】
MRIで脳梗塞が見つかった
【017】
頻脈の大波小波に翻弄!
【018】ラクナ梗塞という十字架
【019】


サイト運営の青爺より
68歳でペースメーカーを
植込んだ隠居じ~さんが、
69歳で脳梗塞の発作で倒れ、
どげんもなら~んと大パニック。
救急車で運ばれた先では
なんとも不可解な治療を受け、
良くなったのか悪くなったのか。
ホントにどげんもなら~ん!









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【001】アッ!ろれつが回らない
【004】ラクナ梗塞は15mm以下
【007】脳梗塞の黒幕は動脈硬化
【010】医者の怒声が響いた面談
【013】入院生活ともオサラバなり
【016】MRIで脳梗塞が見つかった
【002】梗塞とは細胞壊死のこと
【005】心原性脳塞栓症はコワイ
【008】退院できない眠れぬ夜は
【011】心臓までおかしくなった
【014】MRI撮影ができない病院
【017】頻脈の大波小波に翻弄!
【003】アテローム血栓性脳梗塞
【006】MRIは検査なしになった
【009】アテローム血栓が原因?
【012】助けて! 深夜の心臓異変
【015】ペースメーカーは異常なし
【018】ラクナ梗塞という十字架