青 爺 残日録 脳梗塞よれよれ日記【015】
ペースメーカーは異常なし
◆2017年03月28日(火) 発症20日目
 12時、T病院の救急外来へ。ペースメーカーの再調整をやってもらうためだ。
 バイタルチェックと心電図測定後、救急処置室へ行く。

 Y医師とペースメーカー技士が2人(T病院の臨床工学技士)待っていた。カミさんにも同席してほしかったが断られる。

 すぐにペースメーカーの調整が始まる。先週、K病院で受けたばかりなので概要はわかっている(よれよれ日記の第012回参照)。
 数値のチェック、脈が速くなります・遅くなりますチェック。

 その間、先生たちがK病院での調整について話しあっていたので、つい、SJM社の技術者がわざわざ来訪してくれたこと、ちょっと気になっていた「記録設定がOFF」だったことなどを言う。

 が、あまりとりあってもらえない感じ。記録がとれないはずがない、と決めつける。門外漢は黙っていろという雰囲気で印象悪し。15分ぐらいで終了。

 終わったあと、先生に調整の内容を聞く。すると意外な返事。PMTの記録がないので再設定する必要はない、と。

 え~っ、なんで?

 工学技士にPMTが発生した日時を示して再度確認しても、
 「異常といえるようなデータは、3月23日の18時43分に、ごく短いものがあるだけで、それ以外には何もないですね」
 と言われ、とりあってもらえない。

 異常があると言われた時間帯は、ペースメーカーの調整はとっくにすんでいる。しかも、わたしには、思い当たるような自覚症状の記憶はない。

 つまり、ペースメーカーに内蔵されているはずの記録データには、「PMTが起きた事実」が記されていないということだ。

 だからそれは、設定が記録OFFになっていたからだ、と話したじゃないか。

 でも、工学技士はそんなことはありえない、と繰り返すだけ。ペースメーカーの仕組みを知らないわたしとしては、工学技士がそう言うのなら黙るしかない。


 先生は、ペースメーカーの異常じゃなくても、脈が上昇することはある。たとえば興奮すればすぐに脈が上がるし、運動しても上がる、と言う。

 そして、あなたにはPMTは起こらない。心室→房室への逆行性電気伝導がないから、とも言う。

 えっ?
 それは深く考えたこともなかった。逆行性伝導はだれにでも起きる現象、と思いこんでいたのだ(*注1参照)。

 が、そうではない? ひょっとしてわたしの場合は、逆行する伝導路がない? じゃあ、K病院の循環器内科医が判断したPMTはなんだったの?

 「それは他院のことなので、わたしにはわかりませんね」
 つれない返事だが、確認できるデータがない以上、それ以外に言いようもないのはたしかだ。責めてみてもしかたのないこと。

 改めて、先週まで入院していたK病院のF医師に書いてもらった「診療情報提供書」を渡す。それに心電図のデータが入っている。見れば何かわかるはずだ。

 ところが、「診療情報提供書」には、データなんか添付されていなかった。
 しかも、肝心要のMRI検査依頼も、まったく書かれていない、と言う。
 まったく、どげんもならん医者だ!

 しかたがないので、K病院でMRI検査が受けられなかった事情を話し、この病院でMRI撮影の予約をとっていただけないか、お願いする。

 Y先生いわく。
 「われわれは(医師同士の)検査の依頼があればやるだけですが、これ(情報提供書)には治療の経過が書いてあるだけで、検査依頼は何もないですよ」

 ごもっとも。ペースメーカーの不調に関しては、MRIを撮る理由はない。MRIは脳梗塞疑いのためなのだから、患者から撮ってくれと言われても困るだろう。

 苦言を呈しつつ、それでも先生は手配をしてくれた。ありがたいことだ。
 4月3日、MRI撮影。4月11日、結果の説明診察、と決った。

 ペースメーカーのほうは、いろいろな疑問があるけど(*注2参照)、MRI検査はなんとかメドがたった。

 それにしても、あ~あ、面倒くさい、もうイヤ、という気分。今日もまた、どげんもならんで終わる一日である。                  【015・ペースメーカーは異常なし 了】

◆参考データ
*注1 逆行性伝導については、以前、SJM社のT氏に聞いた話が記憶に残っていた。それは次のような内容だ(詳しくは別ジャンルの「ペースメーカーの憂鬱」参照のこと)
*http://sky.geocities.jp/aoikida/aoji/pacemaker/pm027-IDbook06p-2/pm027-IDbook06p-2.html
 「心臓には心房と心室がある。それだけ聞くと、この2つを同列にとらえがちだ。しかし、働き方で比べると、心房を軽自動車にした場合、心室は大型トレーラーにたとえられる(と、イメージするとわかりやすい)。
 それも道理で、両者とも血液の循環を司るのは同じだが、心房はすぐ下の部屋の心室に血液を送ってしまえば役目終了。だが、心室は肺(右心室)、あるいは全身(左心室)に血液を送る(第020回参照)。それだけダイナミックな動きをするわけだ。
 このように心室の動きが大きいと、それが心房にまで伝わり、ペースメーカーは誤ってセンシングしてしまう。逆行性伝導はこうして発生する」

*注2 ペースメーカーとつきあっていくうえで、確認しておきたい疑問を忘備録として記録しておく。暇な折に解決したい。
1)ペースメーカーの記録保存はONだったのかOFFだったのか?
2)K病院の心電図データはどうだったのか? PMTの判断は間違いか?
3)心室→心房への逆行性伝導路は、ある人、ない人がいるのか?
4)伝導路があるかないかは、どうやって判断するのか?
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Contents
【001】アッ!ろれつが回らない
【002】梗塞とは細胞壊死のこと
【003】アテローム血栓性脳梗塞
【004】
ラクナ梗塞は15mm以下
【005】心原性脳塞栓症はコワイ
【006】
MRIは検査なしになった
【007】
脳梗塞の黒幕は動脈硬化
【008】退院できない眠れぬ夜は
【009】
アテローム血栓が原因?
【010】
医者の怒声が響いた面談
【011】心臓までおかしくなった
【012】
助けて! 深夜の心臓異変
【013】
入院生活ともオサラバなり
【014】
MRI撮影ができない病院
【015】
ペースメーカーは異常なし
【016】MRIで脳梗塞が見つかった
【017】頻脈の大波小波に翻弄!
【018】ラクナ梗塞という十字架
【019】


サイト運営の青爺より
68歳でペースメーカーを
植込んだ隠居じ~さんが、
69歳で脳梗塞の発作で倒れ、
どげんもなら~んと大パニック。
救急車で運ばれた先では
なんとも不可解な治療を受け、
良くなったのか悪くなったのか。
ホントにどげんもなら~ん!









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【007】脳梗塞の黒幕は動脈硬化
【010】医者の怒声が響いた面談
【013】入院生活ともオサラバなり
【016】MRIで脳梗塞が見つかった

【002】梗塞とは細胞壊死のこと
【005】心原性脳塞栓症はコワイ
【008】退院できない眠れぬ夜は
【011】心臓までおかしくなった
【014】MRI撮影ができない病院
【017】頻脈の大波小波に翻弄!

【003】アテローム血栓性脳梗塞
【006】MRIは検査なしになった
【009】アテローム血栓が原因?
【012】助けて! 深夜の心臓異変
【015】ペースメーカーは異常なし
【018】ラクナ梗塞という十字架