青 爺 残日録 脳梗塞よれよれ日記【013】
入院生活ともオサラバなり
◆2017年03月24日(金) 発症16日目
 午前中にCTを撮った。これで5回目の撮影になる。あとはすることなし。
 検査結果を聞きにカミさんが来た。
 いつ呼ばれるかと待っていたら、午後1時ごろ、担当のF先生がわざわざ病室にやってきた。そして、検査結果の説明。

 といっても、昨日採血した血液検査で、肝機能の数値が上がっている、という説明だけ。CTについてはいっさい言及なし。
 こちらも今さら聞く気にもならない。どうせルーティンで撮っているのだから、新しい発見など出てくるはずもない。

 肝機能障害は、胃の防護薬ラベプラゾールNa錠によるものだと言う。対策として、

 ①もう少しマイルドな薬を処方するのでそれを飲む
 ②この際、抗血小板薬のバイアスピリンをやめる(そうすれば防護薬のラベプラゾー
 ルも飲まなくていい)
 ③今のまま続ける

 の3案を示された。
 わたしとしては、脳梗塞リスクが高い虚血発作後1年ぐらいは、バイアスピリンを飲むしかないな、と思っていた。だからマイルドな薬で飲み続ける①がいいだろう。

 すると、先生は、
 「それじゃあT病院の診察日までの11日分を処方しておきます。あとはT病院で出してもらってください」
 と言う。つまり、脳梗塞の予防治療を、自分の責任でやるつもりはさらさらないのだ。

 脳梗塞の疑いは一過性脳虚血発作で片がついた。しかし、その後の予防治療は脳梗塞を起こさない必要不可欠の重要な治療。それを、予約が取れたということで、いとも簡単に畑違いの診療科にまかせるようとする。

 わたしが診察予約したT病院はペースメーカーの治療で通っており、循環器内科だから、脳梗塞治療の脳神経内科とは診療内容が違う。診察予約は、T病院ならMRI検査ができるので、撮影をお願いするためだった。

 自分の休みの間に起こったPMTに触れることもなく、当病院での治療は終わり、あとは勝手にどうぞ(とわたしには感じられた)。
 そんな医者とつきあうのは、こちらもまっぴら御免だ。

 それならそれでいいや。患者にどなり声を浴びせる医者なんかの世話にはならない。虚血発作の治療はキチンと受けたし、それ以上話す必要もないだろう。


 話は変わるが、昨日、ペースメーカーの調整をしてもらったことはすでに書いた。その内容がどんなものか、ペースメーカー手帳で確認してみた(手帳については、別カテゴリーのペースメーカー手帳021~030の項目を参照)。

 手帳は入院時に預けてある。スタッフ・ステーションで出してもらい、見てみると、意味不明の記述がある。居合わせたスタッフに聞くと、昨日の臨床工学技士が病室に説明に来てくれると言う。

 4時ごろ、I 臨床工学技士が来室。30代と思われる若手技師だ。確認したかったのは、手帳に記されていた次のメモ書き。
▲ペースメーカー手帳のメモ欄に記入されていた3月23日の調整内容。

 *PMT発生  最大レート130→110bpm
 *PMT検出レート  130→110bpm~

 *1行目はペースメーカーの調整日と調整場所(K病院の名前)が記してある。

 *2行目は、PMT(ペースメーカー起因性頻脈)が発生した、という事実。で、対策と
  してペーシングする最大レートをそれまでの130bpmから110bpmに下げた、とい
  うセッティング変更。

 *3行目は、PMT検出レートを同じく130bpmから110bpmに下げた、というセッティ
  ング変更。しかし「PMT検出レート」という設定項目が手帳のどこにもない。

 聞きたかった疑問というのはこれだ。
 I 工学技士が言うには、それは「裏の設定」だそうだ。裏だから、手帳の表だった項目にはない。

 なんじゃい、それは? と思うものの、そうなっているのであれば、部外者が関与できるものではない。

 「PMT検出レート」の意味を聞くと、当初の「130bpm」という設定は、脈拍が130を超えるとPMTを止める機能が作動して、頻脈を抑制する――というもの。

 今回のペースメーカー起因性頻脈の場合、心電図で確認すると最高脈拍が115ぐらいの上昇なので、PMT防止機能が作動しなかった。
 なので、130→110に下げ、早い段階でPMTを抑制する設定にしたのだそうだ。

 なお、レートを下げると運動時の心拍が上がらない(これまでは130まで上がったがこれからは110までしか上がらない)ので、息苦しくなったりするかもしれない。注意が必要、と言われた。

 それは気がかりだが、本格的なテニスをやれるようになるのはまだ先だし、それから考えればいいだろう。
 いずれにせよ、ていねいに説明していただいた。ありがたいことだ。

 ペースメーカーの不調もなおったし、発作も脳梗塞ではなかった。明日の退院は、めでたし、めでたしで、凱旋するとしよう。          【013・入院生活ともオサラバなり 了】
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Contents
【001】アッ!ろれつが回らない
【002】梗塞とは細胞壊死のこと
【003】アテローム血栓性脳梗塞
【004】
ラクナ梗塞は15mm以下
【005】心原性脳塞栓症はコワイ
【006】
MRIは検査なしになった
【007】
脳梗塞の黒幕は動脈硬化
【008】退院できない眠れぬ夜は
【009】
アテローム血栓が原因?
【010】
医者の怒声が響いた面談
【011】心臓までおかしくなった
【012】
助けて! 深夜の心臓異変
【013】
入院生活ともオサラバなり
【014】
MRI撮影は認定病院のみ
【015】ペースメーカーは異常なし
【016】MRIで脳梗塞が見つかった
【017】頻脈の大波小波に翻弄!
【018】ラクナ梗塞という十字架
【019】


サイト運営の青爺より
68歳でペースメーカーを
植込んだ隠居じ~さんが、
69歳で脳梗塞の発作で倒れ、
どげんもなら~んと大パニック。
救急車で運ばれた先では
なんとも不可解な治療を受け、
良くなったのか悪くなったのか。
ホントにどげんもなら~ん!









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【007】脳梗塞の黒幕は動脈硬化
【010】医者の怒声が響いた面談
【013】入院生活ともオサラバなり
【016】MRIで脳梗塞が見つかった

【002】梗塞とは細胞壊死のこと
【005】心原性脳塞栓症はコワイ
【008】退院できない眠れぬ夜は
【011】心臓までおかしくなった
【014】MRI撮影は認定病院のみ
【017】頻脈の大波小波に翻弄!

【003】アテローム血栓性脳梗塞
【006】MRIは検査なしになった
【009】アテローム血栓が原因?
【012】助けて! 深夜の心臓異変
【015】ペースメーカーは異常なし
【018】ラクナ梗塞という十字架